ビジネス英語を効率的に習得する方法6つと必要な期間

「ビジネス英語が上手くなりたい。」という声をよく聞きます。 そもそもビジネス英語とはどのようなものなのでしょうか。
英語のネイティブスピーカーの人に「ビジネス英語とはどのようなモノですか?」と聞くと、「そんなものはないよ」と言う答が返ってきそうです。 英語を日常のコミュニケーションに使っている人たちにとっては、ビジネスシーンでの英語を使ってのコミュニケーションは当たり前ですし、ビジネス英語力とはすなわち「ビジネス力」だからです。

ここではビジネス英語とは、「ビジネスシーンで英語を使ってコミュニケーションを取るためのツール」と考えることにします。 そうするとビジネス英語を習得するための、いくつかのキーワードが見えてきます。 以下にその例を紹介してゆきたいと思います。

1.習得したい能力を整理する

上述した通り ビジネス英語を習得する目的は「ビジネス(業務)」であるはずです。 英語を使ってどんな業務を進めたいのか、自分の業務にどのような課題があるのかによって優先的に取り組むべき領域が違うはずです。 英語の訓練を始める前にまずこの点を整理することで、ビジネス英語習得の効率を上げることができます。 最低 1週間、場合によっては数週間、自身の課題をしっかりと棚卸します。

仮に自身の業務遂行能力が未熟であるがために仕事がうまく行かない場合、その弱点を英語力でカバーしようとしても限界があります。 極端な例ではありますが、「英語が話せる無能な人」になってしまっては目的であるビジネスが上手く進められないのですから、本末転倒と言えますね。 このような場合には、英語の前に自身の専門分野で未熟な部分を琢磨することが、結果として「ビジネス力」を高める近道かも知れません。

「やはり英語力が課題だ」と思われる場合、次に習得すべき英語力について整理してゆきましょう。

2.英語を使ったどんなコミュニケーションが必要かを整理する

コミュニケーションの大きな要素「読む」「書く」「話す」「聞く」のどれが自身の業務にとって重要かを整理しましょう。
例えばネイティブの人との会話でのコミュニケーションが重要となれば、多くの場合は相手の話すスピードについて行くための「聞く」力が課題となります。 またメールでの顧客との通信が中心の場合には、ビジネスシーンでよく使われるイディオムなどを正しく使えることが有効になります。

このように英語を使って「何を」するかを整理することで、的を絞った学習ができることになります。

3.コミュニケーションの基本、「聞く」「話す」能力の習得

前出の2項目で業務遂行上の課題、自身の習得すべき能力が見えてきたでしょうか。 英語によるコミュニケーションに関する課題の中でやはり多くの人が挙げるのは「聞く」と「話す」、いわゆるオーラルコミュニケーションではないでしょうか。 オーラルコミュニケーションは意思疎通の基本とも言えます。 相手が何を考えているかを捉え、自分が何を伝えたいかを理解してもらうことがビジネスの領域でもコミュニケーションの基本だからです。

そのために目指すべきゴールは、「自然に発言できるようになること」です。 日本人の多くは、正確な英文を使いたいと思うがあまり、伝えたいことがあっても「どう表現したらよいか」と考え込んでしまい言葉が出てこないといった経験を持っているのではないでしょうか。 そのような場面をネイティブスピーカーの人が見ると、「この人は伝えたいことがないのだ」を解釈するのかも知れません。

このような誤解を避けるためには、まずは「言いたいことがある」のだと意思表示ができる程度に言葉を口に出せることが重要です。 そのためには、頻出するフレーズを含む文章をシャドーイングで繰り返し練習しましょう。 シャドーイングとは、英語の音声を聞きそれを繰り返し発音して同じスピードで言えるようになるまで練習することです。 まずは比較的初級レベルの会話が収録されている CD付の教材などがお薦めです。

この練習を 1か月ほど毎日必ず(10分間でも良いので)やりましょう。 基本フレーズを集中して身体にすり込むイメージで繰り返し練習することで、場面に応じた言葉が口をついて出てくるようになります。

4.発音できる単語は聞き取れる

シャドーイングで発音できるようになったフレーズは、不思議と容易に聞き取れるようになります。 自然に口にできるフレーズを増やすことで、そこに含まれる単語はネイティブ スピーカの人が普段のスピードで話していても聞き取れるようになります。

初歩的なフレーズが多く含まれる教材の CDで十分シャドーイングの練習を積んだら、英語の経済ニュースなどを活用してシャドーイングしてみましょう。経済ニュースには経済用語やビジネス英語で頻出するフレーズが多く登場するからです。

難易度が上がるので最初は少ししんどく感じるかも知れませんが、はっきりと聞き取れるようになるまでひとつの記事を繰り返しシャドーイングします。 1回あたり最低 30分・週に 3回は集中して練習できる時間を確保しましょう。 3か月ほど頑張れば、かなり聞き取りのレベルが上がってきていることを実感できるはずです。

5.「読む」力の習得に王道なし

読む力を訓練するためには、とにかく良質の文章に多く触れることが大切です。 自分の業務に特有な英語を習得するには、その業務に近いところで使われている英語を読むことから始めましょう。

英語力に定評のある先輩や上司の報告書やプレゼンテーション、会社のホームページやイントラネットで発表される記事、顧客や協力先企業のホームページなどの文章を億劫がらずにしっかり読み込む習慣を持ちましょう。読むに当たっては知らない単語があっても一語ずつ辞書で意味を調べるのではなく、まずは段落をまとめて読み進めて代替の意味を捉えられるようにします。

そうすることで読むスピードを上げられますし、自分のボキャブラリーの範囲で文脈をつかむ能力が鍛えられます。 最初は能率が上がらずに根気がいる勉強に思われますが、読解力の習得には王道がありません。 腰を据えて長文を読み込んで理解することを心がけてください。 半年もすると、始めたころには躊躇するような長文を臆することなく読み進められるようになって行くでしょう。

6.「書く」力はコピーから

メールやビジネス文章などで使用される、読む英語力の習得は、仕事で使われる定型表現やネイティブレベルの人が使う表現を盗むことが近道です。 一般的なやり取りで使われる表現については参考書や例文集などを活用すれば、仮に使いこなせるレベルに達していなくともそれなりに整った文章にすることができます。

しかしビジネス英語となると、仕事の種類や領域によって特有な表現があるものです。 上述の「読む力」の習得でも触れましたが、良質の文章を読む際に「これは使える」、「こんな表現を使えるようになりたい」とピンときた表現をコピーして自分なりのリストを作ってみましょう。 そしてメールやビジネス文章を書くときには、これまで溜めてきたリスト中の表現を積極的に使ってみましょう。

書く力を習得したいときには上述の読む力の訓練とセットして、半年間頑張ってこの方法に取り組んでみてください。 そうすることで洗練されたイディオムをさりげなく使いこなせるようになってゆきます。

まとめ

英語は日本語と同様にコミュニケーションのためのツールです。 ビジネス英語を習得することで、自分のビジネス力そのものを高めることにはならないことは言わずもがなです。 業務を円滑に進める上で必要なツール(英語力)は何かを整理したうえで、効率の高い習得に繋げてください。

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