弁護士に必要とされる英会話スキル

 グローバル化に伴い、英語による契約交渉など国際法務の実務を担当することのできる法務担当者や弁護士やパラリーガルに対するニーズが高まっています。

日本に進出する外国企業や、日本に滞在している外国人や外国人労働者が増えることにより、外国企業との訴訟案件、外国人労働者の法律相談、外国人が関わる刑事訴訟案件など、弁護士、パラリーガルなどの法務実務家が英語をコミュニケーションツールとして使う機会が増加しています。

また、企業だけでなく一般の民事においても、外国人との結婚が増え、日本語と外国語での婚前契約書(プレナップ:「Prenuptial Agreement」)の作成や、国際離婚問題や親権の交渉や調停をおこなう場合など、弁護士、弁護士事務所で英語が必要とされる場面が増えています。

このような状況において、英語は、弁護士やパラリーガルなどの仕事の幅を広げる可能性を高める可能性を持っています。
この記事では、弁護士に必要とされる英会話のレベルや英会話資格などについてご紹介したいと思います。

 弁護士が、法律英語や英会話を習得する目的とメリットは?

 弁護士が法律英語、英会話力を磨く目的としては、

(1)日本と海外両方で(または海外のみで)弁護士資格を取得した国際弁護士になり、日本企業や、外資系企業の国際顧問弁護士として活躍する

(2)日本の企業で企業内弁護士として海外との交渉・渉外業務に従事する

(3)海外の大学の法学部やロースクール(法科大学院、詳細は後述)に留学する

(4) 日本で英語資格を優遇する法律事務所や企業(国内、外資)に就職・転職することができるようになる

という主に4つの可能性があります。
また、あまり一般的ではありませんが、国連機関や世界銀行、JICAなどの開発援助機関において国際公務員弁護士国際司法支援弁護士として、開発途上国の国際司法支援のために働いたり、難民保護や子供の権利保護などの人道・人権擁護活動に従事するプロフェッショナルもいます。

国際弁護士

国際弁護士になるためには、海外に留学して法科大学院を卒業し,ロースクール(法科大学院)に1年留学あるいは海外の法学部J Dで3年勉強した後に海外で弁護士資格を取る必要があります。いずれも難関であるこれらのプロセスを経て国際弁護士になる人は、皆高度な専門知識と英語力、英会話力を保有しています。

企業内弁護士

また、日本国内の弁護士のうち6%ほどは、企業の法務部や、外国・多国籍企業などで法務や渉外業務に携わる企業内弁護士(2)ですが、その数は2020年の時点で全国に42,000人ほどになります。企業法務では、海外企業との買収やジョイントベンチャー(JV)、M&Aなどを行う際に、海外の企業と交渉をおこない、契約書を英語で締結し、海外の裁判所や仲裁機関で裁判の紛争調停を行うなど、英語案件がない企業はほとんどないため、こちらも、高度の英語力と英会話能力を要します。

外国企業

(4)の外国企業や法律事務所への就職や転職では、法律の専門知識に加えて、高レベルの英語能力が不可欠であるのはもちろんですが、日本企業や法律事務所への就職や転職においても、英語能力が高いことは重要であり、高い法律英語のスキルを証明する資格を有する人材が優遇され、TOEICなど英語能力試験のスコアの記載を求める法律事務所も増加しています。弁護士の海外留学については後ほど記述します。

日本で弁護士が英語を使って仕事をする場合に必要とされる英語力・英会話レベルは?

 法律の専門家(法律家)である弁護士にとって、ベースとなる法律の専門知識が最も重要であり、英語や英会話は実務を行うための必要なツールのひとつに過ぎません。

英語を使って仕事をする弁護士が日常的に必要な英語力としては、契約書や海外の裁判書類、ケースブックと言われる判例集など、英語の法律文書を読み書きすることができること、そしてそれらの質の良い英語の法律書類の情報を精査し、弁護、議論ができることなどです。

日常的な英会話(挨拶など)以外に、契約書のレビューや海外の依頼者や弁護士との打ち合わせに必要なヒヤリングやリスニング、スピーキング力など、法律用語を用いて専門的な会話ができることなどが求められます。

これらの総合的な法律英語の実務能力は、短期間に身につくものではなく、基礎的な英語力や英会話力を基礎にして、質の高い法律英語や法律文書の英語を読み込むことで英語に慣れることや、実際の英語での法律交渉の場を経験することで自然に身についていくものと考えられます。

海外で仕事をする弁護士を目指すために必要な資格とは?

 海外で弁護士として働くためには、その国・州の司法試験に合格しなければなりません。例えば、アメリカの場合、海外留学生や客員研究員などが通う1年間の法科大学院(ロースクール)であるLLM(Master of Laws)と、アメリカ法などをじっくり3年間学ぶJD(Juris Doctor)があり、JDに入学するには、LSAT(エルサット)のスコアを提出しなければなりません。

全米共通のLSATテストでロースクール入学に必要な点数はトップロースクールでは170点前後です。また、トップロースクールに留学、入学するにはほとんどの大学で英語資格試験であるTOEFLで120点満点中の100点(それぞれのスキル25以上)以上が求められます。

海外のロースクールやJDに留学して学ぶためには、英語で行われる授業に参加し、判例ケースについての議論をおこなうことができるレベルの高度の専門知識を持ち、豊富な法律語彙を使いこなして英語での法律会話ができる必要があります。そして、無事にJDを卒業しアメリカの司法試験の受験資格を得て、さらに国家試験に合格するとその州の弁護士資格を取得することができます。

日本で仕事をする弁護士に英語資格は必要か?

 日本の司法試験には英語科目がありません。しかし司法試験の受験資格を得るため1つの方法である、予備試験には一般教養としての英語の試験があります。また、司法試験合格率の高い法科大学院ルートから弁護士を目指す場合には英語力が高いと入試の際に加点される大学もあり英語資格試験のスコア提出を義務付けている大学院もあります。東京大学(TOEFLまたはTOEIC)と一橋大学(TOEIC)の法科大学院では提出が必須条件です。

 外資系企業の企業内弁護士は、弁護士経験5年以上、英米国への留学あるいはそれと同等以上の英語と英米法の理解と知識が求められます。また、前述の、国際公務員弁護士や国際司法支援弁護士になり国連で活躍する日本人の多くは、日本や海外の法曹資格や検事資格をもち、法学修士あるいは博士号を取得し、海外留学を経験している人材です。また、パラリーガルについても、採用試験に法律だけでなく、日英訳、英作文などの試験を行う事務所もあ理、会話だけでなく、法律英語を駆使し読み書きできる能力が必要とされているといえます。

まとめ

 多忙な弁護士が、現場で役立つ実践的な法律英語や英会話を効率的に学ぶためには、日常的に質の良い法律文書を大量に読み込み、情報を整理し、議論する習慣を持つこと、専門分野の法律ごとにテーマを絞り、関連する法律用語や文例を学ぶという方法が効果的です。日本語でも難解な法律用語を英語で学ぶためには、海外のロースクールや出版社が出している専門的なカリキュラムを用いて効率的に目的やレベル 、専門分野に応じて、ツールとしての法律専門英語を自分のペースで学ぶことが重要となります。

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